金武町伊芸の民間地に米軍の照明弾3発が落下した事故で、米軍は9日、再発防止策を完了し60ミリ迫撃砲照明弾の訓練を再開できる状態になったと沖縄防衛局に伝えた。防衛局は海兵隊の再発防止策について「妥当だ」と追認している。県は「丁寧な説明がないままに訓練が再開されるのは遺憾だ」と反発し、訓練を再開しないよう求めている。実際に訓練を再開する日時は未定だという。
県の溜政仁基地対策課長は11日、防衛局の仲間勝之連絡調整室長に電話し、訓練を再開しないよう米軍への働き掛けを求めた。昨年12月18日に再発防止策と訓練再開の意向が伝えられた際にも、県は「説明が不十分」として詳しい説明を要請していた。
だが米軍の説明内容は今回も変わっておらず、溜課長は仲間連絡調整室長に「再発防止策の実効性が確認できない。こんな中で訓練を再開することは県民にさらなる不安を与える」と指摘した。
米海兵隊は照明弾が強風に流されたことが事故原因だと説明している。再発防止策として(1)規則を厳しくし、60ミリ迫撃砲照明弾の訓練を実施できる最大風速を小さい方に修正した(2)風の状況を正しく測るために機器を改良した―の2点を挙げている。防衛局は11日、本紙の取材に「米側による再発防止策は妥当なものと認識しており、米側の説明内容を関係自治体に知らせている。安全確保に万全を期すよう米側に引き続き求めていく」と述べた。
金武町の仲間一町長は「(再開は)地域住民にとって不安が残る。機会あるごとに住宅地周辺での訓練中止を米軍に求めていくしかない」と話した。
昨年12月5日に民家から約50メートルの田んぼなどに米軍の照明弾3発が落下した。その後、米軍は再発防止策を講じた後に訓練を再開する意向を示していた。