首里城再建、工程表を3月中に策定 首里城技術検討委


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 2019年度第3回首里城復元に向けた技術検討委員会(委員長・高良倉吉琉球大名誉教授)が13日、那覇市のザ・ナハテラスで開催された。首里城復元の工程表策定に向けて課題となる点や考慮すべき点について意見交換した。終了後、高良委員長は本年度に実施した3回の検討委と防災、木材・瓦類、彩色・彫刻のワーキンググループ(WG)の議論を振り返り、「特に防災、防火対策の議論に万全を期した。現段階で検討できることは検討した。かなり高いレベルの防火体制が構築できるのではないか」との認識を示した。

 今回委員から示された意見を踏まえた上で高良委員長が報告書としてまとめ、3月中旬以降に内閣府沖縄総合事務局に提案する。報告書を基に国が3月中に再建に向けた工程表を策定する。

 次年度も委員会を継続し、首里城再建の詳細について議論を深め、具体化していく方針。

 終了後、高良委員長が会見し、木材の調達などに関して前回の再建の工程から変更される点はあるとした上で「再建作業を左右したりブレーキを踏んだりするものではない」と述べ、おおむね前回の工程が目安となるとの考えを示した。具体的な工程について、国営沖縄記念公園事務所の鈴木武彦所長は「国が策定する。まだ決まっていない」と述べるにとどめた。

 検討委の議論の中で、沖縄総合事務局は大龍柱の材料となる細粒砂岩の確保について、沖縄本島での入手は困難だが前回の再建と同様、与那国島から代替材を調達することはできるとの見方を報告した。