「率直におわびしたい」 JAおきなわ理事長 信頼回復への姿勢強調


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和牛のDNA不一致問題の経緯を報道陣に説明する普天間朝重理事長(右から2人目)ら=13日午後、那覇市壺川のJA会館

 久米島家畜市場から出荷した子牛で血統矛盾の指摘が相次いで報告されていた問題を受け、市場を運営するJAおきなわの普天間朝重理事長は13日の記者会見で「DNA不一致を把握していたにもかかわらず競りを続けていたという批判に関して、率直におわびしたい」と述べ、子牛の供給産地として信頼回復に取り組む姿勢を強調した。

 一方で、購買者に事態を公表せず1月に競りを開催した理由について「農家の所得の減少がかなり大きなものになることを考えた」など釈明に追われた。

 DNA不一致の牛が市場を通して県内外に出荷されたことについても、普天間理事長は「大いに反省はするけれども、今回は授精師の問題だ。JAはあくまで市場の運営だ」「人工授精師が提出する授精証明書は正しいという前提で競りを行っている。DNA不一致の子牛が競りに出されるのを防ぐのは困難」など、JAとして対応の限界を強調する場面が目立った。

 その上で「誠に遺憾だ」と繰り返し、県に対して人工授精師への指導の徹底などを要請する方針を示した。18日に開催する3月の競りについては「こうした牛は1頭でも出してはいけない。購買者への信頼がまず大切だ」と述べ、同授精師の関わる牛の出品を禁止したことを強調した。

 また、江藤拓農相らから県や国への連絡が遅れていたとの指摘が上がっていることに対しては「県家畜改良協会から話がいっていると認識していた」と述べた。