中学までの医療無償化を要請 県民の会 署名1000筆超を沖縄県に提出


社会
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中学卒業までの医療費無料化を求める署名を県に提出後、記者会見する県保険医協会の仲里尚実会長(右から2人目)や県社会保障推進協議会の新垣安男会長(右端)ら=13日午後、県庁

 県保険医協会などでつくる「子どもの医療費無料制度を広げる県民の会」は13日、県庁に砂川靖保健医療部長を訪ね、中学校卒業までの通院外来に関する医療費を2021年度までに全県で無料にするよう求める1091筆のメッセージ署名を提出した。要請後に記者会見した同会によると、砂川部長は玉城デニー知事が22年9月の任期までに全県で中学卒業までの医療費無料化を目指すと公約していることに触れ、「実現するため事務方として頑張る」と述べた。21年度内には財政的課題の精査や市町村との協議を経て、一定の方向性を示したいとした。

 この日の要請で県は県民の会に対し、県が1月に行った県内41市町村への聞き取りで、30自治体が中学卒業まで医療費を無料とする知事方針に「賛成」し、7自治体が「段階的に進めるべき」だとし、2自治体は「現状維持」が望ましいと回答したと明らかにした。2自治体は無回答。

 県はこれまで、子ども医療費無料化について「早ければ22年に小学校卒業まで拡大」し、その後に中学卒業までの拡大を検討するとしていた。13日に県庁で記者会見した県社会保障推進協議会の新垣安男会長は「大半の市町村が中学までの無料化を一気に進めるべきだとしている。県は実現に向けて主導してほしい」と話した。

 県民の会によると、県外では19年4月1日現在、中学校卒業以上の子どもまで通院外来の医療費助成をしている自治体は全体の90%に達している。

 一方、県内は、通院外来で63%にとどまっている。そのため同会は子ども医療費の本土との格差是正を求めてきた。