ホームレスを支援する雑誌「ビッグイシュー日本版」の県内での取り扱いが1月中旬から、那覇市松川の地域活動支援センター「ソーシャルハウスあごら」で始まっている。山城亨代表理事(45)は「多くの人に雑誌の存在を知ってほしい。雑誌を手に取った人がホームレスの支援について考えるきっかけになれば」と穏やかに語る。
ビッグイシューは、ホームレスの自立支援を目的にイギリスで誕生した雑誌。月に2回発行され、内容は社会問題や芸能の話題など幅広い。ホームレスが販売者となって路上で立ち売りし、売り上げの一部が収入となる。カフェやフェアトレードショップなどで委託販売も実施する。
2019年12月、センターを運営する「特定NPO法人あごらぴあ」のスタッフが販売を提案し、雑誌を取り寄せた。「世間に問う内容をポップに読みやすく書かれている。雑誌の面白さが販売の決め手になった」。1月18日から販売を始め、現在は各部8冊ずつ取り寄せている。注文が増えれば冊数を増やす予定。
「自分自身もホームレス問題について勉強している段階。もっと理解を深めたい」と語る山城さん。今後は「ビッグイシューの読書会を開き、記事について話したり思いを共有したりする機会をつくれたら面白い」と夢が膨らむ。
1冊350円。問い合わせはソーシャルハウスあごら(電話)098(885)7274。
(上里あやめ)