県農林水産部は14日、沖縄本島での豚熱(CSF)の発生を受け、在来の固有種「アグー」の一部を久米島に隔離する作業を開始した。この日は東村の農家が飼育する雄豚4頭を那覇港泊埠頭(ふとう)からフェリーで久米島へと移動させ、島内にある既存の隔離施設へと運び込んだ。
県はワクチン非接種のアグー純粋種計30頭を隔離対象とし、3月中に久米島への避難を完了させる。週明け以降も、県畜産研究センター(今帰仁村)の12頭や、名護、糸満市などの農家が飼育しているアグーを久米島に移す。
移動後は、JAおきなわや地元農家が飼育・繁殖に取り組む。
久米島での隔離は、本島全域の豚に実施されるワクチン接種を避けるための一時的な措置。最終的には久米島とは別の県内離島にアグー専用施設を整備し、改めて移動することを計画している。
県内で飼育するアグー純粋種は約1100頭。県は当初、50頭を離島に移す考えだったが、農家の生産活動に支障が出ることなどを考慮して30頭にとどめた。