【与那嶺路代本紙嘱託記者】米独立監視機関「政府監視プロジェクト(POGO)」は11日、最新鋭戦闘機F35の欠陥に関する内部資料を入手したと発表した。それによると、未解決の欠陥が883件あり、うち162件は「修正の予定なし」だった。安全性に問題がある深刻な欠陥は9件あった。米政府監査院(GAO)もこれまでF35の技術的問題を指摘している。
F35を巡っては、日本政府が米国から105機を購入することを決めている。2019年4月には航空自衛隊三沢基地(青森県三沢市)のF35Aが訓練中に太平洋上に墜落した。県内では米軍嘉手納基地や普天間飛行場に飛来したり、伊江島補助飛行場で離着陸訓練をしたりするなど頻繁に飛行が確認されている。
POGOが入手したのは、米国防総省のF35合同プログラム事務局がまとめた欠陥の数や種類のグラフ。2020年2月28日付。
欠陥が未解決の理由として「パイロットや整備士が問題を発見したが、修正の請負業者が問題はないと主張している」が全体の半数以上の448件。「整備士が問題の解決を見つけたが、変更に追加の資金がかかったり修正したりするための試験が必要」が273件、「修正の予定なし」が162件だった。
国防総省は欠陥を深刻度に応じて二つに分類している。今回の資料では、安全性や重要な性能を危険にさらす「カテゴリー1」が9件、任務遂行に支障を来す「カテゴリー2」が874件あった。
POGOが過去に入手した2018年の事務局会議の議事録では、当局がいくつかのカテゴリー1を2に書き換えていたことが明らかになった。
カテゴリー1の具体的内容については、米軍事サイト「ディフェンス・ニュース」が19年6月、「超音速飛行が続くと機体が損傷したりステルス機能が損なわれたりするなどの欠陥がある」などと報じた。
POGOは米ワシントンに拠点を置く非営利団体。政府の腐敗や無駄、権力の乱用などを防ぐことを目的に、内部告発者や専門家と協力して調査活動を実施している。