米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、土砂搬出に使用されている琉球セメント安和桟橋のうち、使用の許可期限が3月末で切れる旧桟橋の更新許可を県に提出した琉球セメントは16日、本紙の取材に「更新許可の提出は旧桟橋の撤去に向けたものだ」と明らかにした。撤去に向けて関係機関と調整を進めているという。一方、許可が下りた場合に旧桟橋を資材搬出に使う可能性については否定しなかった。県は今月内に回答する考えで、許可するかどうかは調整中としている。
琉球セメントによると、撤去工事は大掛かりになることが予想され、3月中の撤去は難しいことから更新許可を提出した。許可が得られた場合、4月以降も資材搬出など従来通りに桟橋を使用するかとの問いには「業務を滞りなく行わなければならない」と述べ、継続使用については明言しなかった。
県の担当者は「提出された更新許可の内容は撤去作業に限られたものと認識している」と述べた。「今まで通りの更新許可だと従来の桟橋使用が可能になる。仮に撤去しか認めないという許可になれば、調整して通常の使用は難しいという判断になる」と説明した。
旧桟橋の更新許可が申請されたことを受けて、老朽化が進む旧桟橋の使用停止を求めている「沖縄から基地をなくし世界の平和を求める市民連絡会」(沖縄平和市民連絡会)は13日、県に提出された更新許可申請の内容説明などを求める要請書を県に提出した。早急に関係部局の代表者と話し合う場を設けるよう求めた。
要請書では、土砂搬出を請け負う業者が本部港塩川地区の港湾施設用地内にベルトコンベヤーを設置する許可を県に申請していたことについて、係争中であることを理由に土砂の海上搬送のための申請は不許可または判断保留とすることなども求めている。