「友達と会えてうれしい!」2週間ぶり再会に子どもたち笑顔 小中高校が授業再開


この記事を書いた人 アバター画像 琉球新報社

 約2週間ぶりに学校に笑い声が戻った。新型コロナウイルス感染症対策で突然の臨時休校後、自宅などで過ごさざるを得なかった児童・生徒らは、残り少なくなったクラスメートとの日々を取り返すかのように友達との触れ合いを楽しんだ。教師らは県外での感染拡大に気をもみつつ、元気に登校する児童・生徒の姿を確認し、ほっとした表情を見せていた。

小学校、友達を仲良く登校
 

友人と笑顔で登校する嘉数小学校の児童ら=16日午前8時ごろ、宜野湾市内

 【宜野湾】「ただいま!」「友達と会えてうれしい」。新型コロナウイルス感染症対策で4日から休校していた宜野湾市立嘉数小学校(田崎明美校長)の児童は12日ぶりに友人と再会し、元気にあいさつを交わしながら登校した。

 午前7時半ごろから学校が開くのを待っていた5年生の仲間小百合さんは「休校になった時は休みたいと思っていたけど、すぐ友達に会いたくなった。久しぶりに会えてとてもうれしい」と喜んだ。

 児童らは担任に名前を呼ばれると「はい!元気です」と大きな声で応えた。田崎校長は「子どもたちの元気な顔が見られてうれしい。手洗いや換気などに気を付けたい」と述べた。

 この日、中学生と小学生、幼稚園児の3人を学校へ送り届けた市内の母親(36)は「休校中、赤ちゃんも含めて4人の子どもが家にいた。公園にも行けず大変だった。学校が再開して給食もあるので助かる」と話した。

中学校、久々の給食みんなで

臨時休校を終えて再開した給食を楽しむ寄宮中学校の生徒たち=16日、那覇市長田

 那覇市立寄宮中学校(前田比呂也校長)では1、2年生約400人が元気に登校した。給食も再開し、静かだった校舎に約2週間ぶりに活気が戻った。

 「いただきまーす」。給食の時間が始まった午後、各教室から次々と声が上がった。新型コロナウイルスの感染拡大を避けるため、机を向かい合わせての食事ではなかったが、1年生の與那嶺成美(なるみ)さん(13)は「家にいて退屈だった。久々に学校に来て友達と会えてうれしい」と笑顔。前田校長は「いつもは休みがちな子どもたちも登校していた」と目を細めた。

 午前中は、在校生の参加を見送って7日に実施した卒業式の後片付けが行われた。式で演奏予定だった吹奏楽部所属の2年生・知名ひかりさん(14)は「先輩に感謝を伝える場がなくなってしまった」とぽつり。学校に顔を見せに来ていた湧川ひなさん(15)は、卒業式で式辞を読んだ。改めて「悔いが残らないように一日一日を過ごしてほしい」と後輩にエールを送った。

高校、残り少ない時間楽しむ

学校が再開し登校した生徒たち。マスク姿も見受けられた=16日午前、那覇市の那覇国際高校

 4日から臨時休校していた那覇国際高校(仲宗根勝校長)では、久しぶりの再会を喜び合う生徒の明るい声と笑顔が校内にあふれた。

 午前8時すぎ。早朝講座が終わると、静かだった校舎には本を片手に友達と楽しそうに話しながら移動する生徒たちの姿が見られ、学校に活気が戻った。

 1年1組の教室では40人が元気に登校し、会話に花を咲かせた。再開後初めてのショートホームルームでは、担任が「せきのある人、体調不良の人はいませんか。マスクが必要な人は声を掛けてくださいね」と呼び掛け、生徒の体調を確認する場面もあった。

 「休みが明けて新学期が始まったような感じ」と話す當山心梨(ここり)さんは「休校にならなければ、部活も友達とできたことも、たくさんあったはずで残念」と語った。

 阿波連慶さんは「学校に来られて良かった。校内でも手洗いや消毒に気をつけたい」と話し「このクラスメートで過ごせる残り少ない時間を楽しみたい」と同級生と口をそろえた。