「再び休校にならないよう祈るばかり」 学校再開で教職員 安堵するも感染拡大への不安も


この記事を書いた人 アバター画像 琉球新報社

 臨時休校が明け、再び学校に姿を見せた児童・生徒の様子を見て、子どもたちの心身の健康状態を気にしていた小中高校の教諭らは一様に胸をなで下ろした。ただ、急な休校による学習面への影響、県外で感染者が増え続けている現状への懸念から、多くが不安な気持ちを払拭(ふっしょく)できずにいる。

 沖縄県立開邦高校(宮城薫校長)の教職員は16日朝、職員会議で県教育委員会からの通知を確認した。遠藤美紀夫教頭は「できることを確実にやっていこう。気になることがあればすぐに申し出てほしい」と集まった教職員に万全の感染防止策を呼び掛けた。

 本島中部の中学校では、保護者が感染を懸念したことで一部の生徒が休んだ。同校の校長は「ほとんどの生徒が元気良く登校していたので安心したが、新型コロナウイルスの影響はまだ出ているので、休む生徒がいても仕方がない」と保護者の判断に理解を示す。別の学校長は「県内で感染者が出て、再び休校とならないよう祈るばかりだ」と話した。

 部活動も再開したが、一部制限は残る。那覇市内の中学校教諭は「那覇地区では、地区内の学校は練習試合をやらないことになってるので、他の地区でできる所と比べると不平等というか、差が出てしまう」と影響を心配した。

 一方、子どもの居場所関係者は“受け皿”としての存在意義を再確認した。那覇市では子ども食堂を運営する飲食店と市社会福祉協議会などが連携し、自宅待機する子どもたちに弁当を届けた。これまで「居場所」を利用していなかった子どもたちの掘り起こしにもつながったという。

 同市社協の城間えり子さん(58)は「子どもの居場所や学童など、受け皿となる所は対応に苦慮した。その総括は必要と思う。今後もこういうことがあった時にどう向き合うかは常に考えないといけない。『居場所』の意義への認識が広がっていくことを期待している」と話した。