新型コロナウイルス感染拡大防止で臨時休校していた学校の大半が16日から再開した。再開に伴いこれまで活動を自粛していた部活動も始まり、校舎やグラウンドには約2週間ぶりに学生たちの元気な声がこだました。久方ぶりの練習に喜びを隠しきれない者、次なる目標を見据え練習に精を出す者、ウイルスの影響で全国大会が中止になり喪失感をぬぐえない者―。選手の思いもさまざまだ。
本部高野球部の大城鼓高副主将は「エネルギーがあり余っていた」と久々の練習に前のめりだ。宮城岳幸監督が作る補食を全員で食べると自然と笑顔が浮かぶ。4番の与儀匠翔は「皆で食べるのを楽しみにしていた。力をつけてがんがん本塁打を出したい」と食欲、意欲ともに旺盛だ。春季大会に向け宮城監督は「焦るとけがをする。じっくりと基礎からやり直す」と基本のバント練習や走り込みから鍛え直し、コツコツと準備を続ける。
重量挙げの全国選抜優勝が期待されていた、本部高の仲宗根夢来と比嘉力はすでに県総体へと気持ちを切り替えていた。全国は中止となったが比嘉は「ネガティブにならないようにした」と自宅で補強練習した。仲宗根は「当たり前だと思った環境のありがたさが分かった」と前を向く。
約2週間ぶりの練習で午前3時間、午後3時間半ほど練習した沖縄尚学高テニス部。女子は昨年の全国選抜で準優勝を果たしたが、ことしは中止に。日本一を目指して調整を重ねていただけに、山本未来主将は「練習に身が入らない時もあった」という。この2週間で「次頑張るしかないと切り替えられた。良い調整ができたことは次に生かしたい」と前向きだ。男子の仲田達司監督は「どれぐらいの実力が試合で発揮できるか分からないのは、選手にとっても怖さはあると思う」と試合勘への懸念を示した。
「ことしは全国制覇も狙える」と意気込んでいた、那覇西高女子ハンドボール部は2月の九州大会を準優勝し、昨年3位だった全国選抜への切符を得た。目前に迫った全国選抜が中止になり「今までの練習が全部無駄になったと、ショックだった」と久場川かりん主将は肩を落とす。全国でのレベルを見極める数少ない機会を失い、心なしかいつもと違う雰囲気で練習を迎えたという。比嘉律監督は「選手にとっては一生に一度の夢舞台。選手に悔いが残らないよう、もし可能ならば時期を再検討してやってほしい。僕の願いです」と語った。