台湾の中央感染症指揮センターが19日から、新型コロナウイルスの感染拡大を受け日本などに対する海外旅行感染症情報を最高レベルの「警告」へ引き上げると発表したことを受け、県内の観光関係者からは「沖縄の国際便が全てなくなるのではないか」と懸念する声が上がった。既に韓国と中国、香港路線が全て運休となり、沖縄の国際路線は前年比で4分の1以下まで減っている。需要が落ち込む中で運航を続けていた台湾路線も維持が厳しい状況となった。
台北―那覇路線の運航を続ける中華航空は、現時点で減便や運休の決定事項はないが、状況次第で変わる可能性があるという。担当者は「利用者は少ないが、なんとか路線を維持できていた。今回の発表で台湾客の渡航は厳しくなるだろう。日本のお客さまが台湾に行くにも制限がかかってくる」と説明する。
ピーチアビエーションは18日、新たに那覇―台北路線の運休を発表した。ジェットスター・アジア航空は23日から、シンガポール―那覇路線を運休する。沖縄観光の主要マーケットからの直通便が運休し、外国客が回復する見通しが立たない状況となっている。沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長は「国際線の運休が相次ぐ中で台湾路線は維持してきた。このままだと沖縄の海外路線が止まってしまう可能性がある」と危機感を募らせた。