新型コロナの感染確認が1カ月ない沖縄 それでも「安心宣言」は出せない理由


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 沖縄県は19日、新型コロナウイルスの新たな検査で8人全て「陰性」だったと発表した。県内では新型コロナウイルスの感染による肺炎患者が2月20日に発生して以降、新たな感染者が確認されないまま1カ月が経過した。これまでに感染が確認された男女3人も退院基準を満たし、入院勧告は解除された。ただ県外や海外では感染が拡大しており、糸数公県保健衛生統括監は「安心宣言のようなものは出せない」と指摘した。

 政府の専門家会議によると感染者の8割は他の人にうつさない一方で、症状の軽い一部の人が外に出て感染者の集団(クラスター)を形成すると感染拡大が止められなくなるという。

 県は県内の患者3人はこの8割に当たる可能性がある上に、クラスターを形成しなかったことが現在の落ち着いた状態を形成していると分析し、県内だけを見れば封じ込めができているという。現時点で新たな発症者は確認されていない状況だが3月末から転勤や春休みが始まることなどで人の移動が増え、紛れ込みで感染が広がる可能性は十分にあるとして、糸数統括監は「警戒態勢は今の形を保つ必要がある」と説明した。