台湾客の売り上げゼロに… 新型コロナの影響で倒産したレンタカー会社


この記事を書いた人 アバター画像 米倉 外昭

 沖縄県内でアクアレンタカーを展開するニューステップ(那覇市、新垣弘行代表)が23日、那覇地方裁判所に民事再生法の適用を申請し、受理された。新型コロナウイルス感染拡大で利用客が激減し、資金繰りが悪化した。従業員27人(正社員9人、パート含む契約社員18人)の雇用は維持し、事業を継続しながら会社再生に向けた作業を進める。東京商工リサーチ沖縄支店によると、新型コロナの感染拡大に関連した法的倒産は県内初という。

 負債総額(1月末時点)は約3億9千万円で、債権者は84人。今後は債権者説明会の開催や再生計画の策定などを行う。

 新垣代表は「台湾からの観光客が減少したことの影響が大きかった。従業員の雇用を維持し、経費の節減に努めながら再生する」と説明した。

 同社は2年ほど前から台湾客の取り込みを強化した。台湾客の売り上げは全体の2割程度を占めていたが、新型コロナ感染拡大で航空路線の欠航などが相次ぎ、3月の台湾客の売り上げはゼロになった。3月の全体の売上高は約1100万円で、前年同月の半分以下に落ち込んだ。売り上げ減少により、車両のリース代金などが支払い困難に陥ったという。

 4月以降も売り上げの落ち込みが予想され、県内企業を支援する「中小企業セーフティネット資金」の活用も検討したが、融資を受けるまでの時間的な余裕がなかった。

 同社は自主再建を目指すが、困難な場合は県内の有力な同業者などとの提携・支援による再建も模索する。