首里城再建の基本方針骨子案をまとめる 有識者懇 復元過程の公開など9項目


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首里城復興基本方針骨子案をまとめた有識者懇談会の会合=24日午前、那覇市久茂地のホテルサンパレス球陽館

 県は24日、首里城復興基本方針に関する有識者懇談会(会長・下地芳郎沖縄観光コンベンションビューロー会長)の第4回会合を那覇市久茂地のホテルサンパレス球陽館で開いた。最終の会合で、正殿などの早期復元と復元過程の公開や伝統技術の活用と継承など9項目にわたる「首里城復興基本方針骨子」案をまとめた。

 懇談会は年内に玉城デニー知事に骨子案と基本方針に関する意見を報告する。県が早期に基本方針をまとめ、玉城知事が年度明けにも発表する見通し。県は来年、工程を含む基本計画を策定する方針。骨子案のうち「火災の原因究明及び防火設備・施設管理体制の強化」については「首里城火災に係る再発防止検討委員会」で議論するため、今回の懇談会では議論の対象とはしなかった。

 基本方針に関する議論では、内容を実現するため長期的な財源確保をどう図るか盛り込むべきだとの意見が上がった。来年、県が策定する基本計画では時間的目標をしっかり示すことを求める声が上がった。

 首里城の地下にある日本軍の第32軍司令部壕については「活用を目標にした調査をし、活用の可能性を追求することを念頭に取り組んでほしい」との要望が上がった。美術工芸品の修復では人材育成、伝統技術の継承を視野に那覇市の県立芸術大学に文化財の保存修復を手掛けるコースの設置を求める声が重ねて上がった。会合終了後、下地会長は「基本方針はなるべく早期に発表してほしい。基本計画も早期に策定し、できる部分から実施してほしい」と県に求めた。