国保、26市町村で赤字 沖縄県全体の収支も赤字で厳しさ続く


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 県国民健康保険課は25日、2018年度の県内41市町村の国民健康保険(国保)の財政状況(速報値)を発表した。発表によると、一般会計から法定外繰入金を除いた実質的な単年度収支は26市町村で赤字となった。一方、国保財政を運営する県の国民健康保険特別会計も4億5927万円の赤字となり、市町村分の赤字額17億4046万円を合わせると、県全体の実質的な収支は21億9973万円の赤字となった。

 速報値によると、市町村財政を圧迫する一般会計からの法定外繰入金は48億2081万円で、対前年度比で35億5768万円減となった。翌年度の収入を繰り上げて不足分に充てる前年度繰上充用金も対前年度比22億4316万円減の45億9043万円となった。

 前期高齢者交付金など国からの公費増額によって市町村の赤字幅が縮小した形となっている。県は市町村国保の財政状況は改善していると評価しつつも、法定外繰入金や前年度繰上充用金があることから、県の国保財政は「なお厳しい状況だ」との見解を示している。

 国保は市町村が運営主体となってきたが、18年4月の制度改正に伴い、各市町村が医療費水準や所得水準などを勘案して定められた「国保事業費納付金」を支払い、交付金など国の公費も含めて県の国民健康保険特別会計で運用される仕組みになった。

 18年度末の被保険者数は40万4214人で、前年度末から1万2092人(2・9%)減。国民健康保険料の収納率は94・13%で、前年度から0・16%減少した。