帰国者待機場所の確保、サーモグラフィー設置を 沖縄県がコロナ対策を国に緊急要請へ


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 玉城デニー知事は27日、定例記者会見を開き、新型コロナウイルス感染症対策について帰国者の待機場所や移動手段の確保、全国の空港の国内線保安検査場にサーモグラフィーを設置することなど4項目を来週にも政府や関係機関に緊急要請する考えを示した。また不要不急の県外国外への旅行については自粛するよう改めて求めた。

 県内で感染者や濃厚接触者に対する偏見や差別的な発言があったと報告し「誰もが感染者、濃厚接触者になりうる状況であることを一人一人が認識し、感染者、家族の気持ちに配慮してほしい」と呼び掛けた。

 新型コロナウイルス感染症に伴う県経済への影響については「2001年の同時多発テロ、08年のリーマンショック、11年の東日本大震災など過去の観光危機と比較しても、入域観光客数に影響する見込みだ。沖縄観光に深刻な影響を及ぼしている」との認識を示した。同時多発テロ発生時の県経済への影響について「観光消費が約209億円、経済波及効果は約291億円減少したことが推計として報告が上がっている」と述べた。県は富川盛武副知事ら緊急経済対策プロジェクトチームで推計した経済波及効果などを今月中にも発表する予定。中国の友好省である福建省から2万枚のマスク寄贈の申し出があったことも説明した。

 新型コロナウイルス感染症に関する政府対策本部が設置されたことを受け、県は27日、玉城デニー知事を本部長とする「県新型コロナウイルス感染症対策本部」を設け、初会合を開いた。同本部は当面の間、毎週定例で会議を開くほか、県庁内各部局から職員を集めて対応に当たる。今後、国から出される対処方針を受けて、県独自の方針についても話し合う。