チビチリガマ、慰霊祭前に50人が清掃 観光業者ら「恒久平和願い」


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チビチリガマを見守る野仏(中央)の周囲に落ちている枯れ葉などを拾うボランティア=31日、読谷村波平

 【読谷】75年前の沖縄戦で住民85人が「集団自決」(強制集団死)を強いられた読谷村波平の自然壕チビチリガマで31日、村観光協会(知花昌彦会長)を中心に村役場関係者や観光業従事者ら50人が同地を清掃した。4月4日に予定される慰霊祭を前にボランティアは祭壇に手を合わせてから作業を開始。約40分かけて枯れ葉やごみを拾い、生い茂った草木を刈り取った。

 村観光協会は犠牲者の冥福を祈るとともに、来訪者に気持ち良く参拝してもらおうと年2回、清掃活動に取り組んでいる。

 知花会長は「平和の上に沖縄の観光業は成り立つ。恒久平和を願い清掃した」と述べた。ホテル日航アリビラの従業員、砂川博和さん(44)は「ガマをきれいにすることが少しでも犠牲者の供養になれば」と述べ、同地が平和継承の場となることを願った。

 今年の慰霊祭は4日、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため遺族会と関係者のみで実施する。