米軍基地周辺で検出の有機フッ素化合物、環境省専門委が指針値案で合意 罰則なし


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
高濃度の有機フッ素化合物が検出された嘉手納町屋良のシリーガー。昔から地域住民が洗濯などの生活用水として使用している

 【東京】中央環境審議会の専門委員会は31日、県内米軍基地周辺でも高濃度で検出されている有機フッ素化合物の指針値(暫定)として、PFOSとPFOA合わせて1リットル当たり50ナノグラムとする案で合意した。今後、パブリックコメント(意見公募)の実施や、中央環境審議会水環境部会の審議を経て近く正式に決定する。

 指針値の設定に合わせ、リスクに関する知見の収集を進める「要調査項目」から、国や各都道府県が物質のモニタリングに努める「要監視項目」へと位置付けを引き上げることも合意した。だが、指針値を超過しても罰則などはない。環境省の指針値は、河川や地下水などで基準となる。

 これとは別に、厚生労働省は24日、水道水での暫定目標値として1リットル当たり50ナノグラムにすると決めた。