主将国吉が縦横無尽の活躍 七回、ピンチをヘッジ、倍返しも 県春季高校野球第8日


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 高校野球の第67回県春季大会(県高野連主催、琉球新報社共催)第8日は1日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇で3回戦を行い、沖縄工が小禄に7―3で勝利し、3年連続の8強入りを果たした。この日の試合で、ベスト8進出校が出そろった。4強入りを懸けた準々決勝は4、5の両日、北谷町のアグレスタジアム北谷で2試合ずつ行う。

沖縄工―小禄 4回裏、安座間懐の適時打で先制のホームを踏み、チームメートとハイタッチで喜ぶ沖縄工の國吉涼介(右)=1日、那覇市のセルラースタジアム那覇(喜瀬守昭撮影)

 主将の國吉涼介二塁手が攻守で活躍し、攻め立てられる重大局面でチームの危機を救った。

 5点リードの七回表、犠飛や四球などで2点を失い、なお1死満塁のピンチに、小禄の2番・久高奏斗が右翼の頭上を越える大きな当たりを放った。これに一~三走が一気に本塁を目指しスタート。右翼からの返球を中継した國吉が捕手への好返球で重なるように三塁を回って駆け込んできた二、一走をアウトにし1失点で抑えた。「正確性には自信がある」と冷静な対応で危機を乗り越え、裏の攻撃ではダメ押しの2得点にも貢献した。

 攻めては「約6~7割」(國吉)と高い出塁率を誇り、選球眼の良さを併せ持つ。この日も四回裏に四球で出塁し、田里王寿と安座間懐の安打、適時打で先制の生還を果たした。さらにベンチでは誰よりも声を出しチームの士気の維持に努める。

 攻守でチームの中心となる働きに、知名淳監督も「しんどい時にどれだけ國吉らが声を掛けられるかも重要。きょうも小禄の雰囲気に押されず良い流れだった」と國吉の存在の大きさを語った。3年連続の8強入りにもチームが緩むことはない。強力打線で接戦を勝ち抜いてきた糸満との次戦に、知名監督は「ミスした方が負け。いかにミスを減らすか」と堅守から沖縄工のリズムで攻めていく。

(上江洲真梨子)