「経路不明が一番怖い」「収まるまでは出歩かない」 沖縄県民、新型コロナ市中感染に危機感


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県危機管理対策本部会議を終え、報道陣へ状況を説明する糸数公保健衛生統括監(左から2人目)、大城玲子保健医療部長(同3人目)ら=4日午後、県庁

 県内で新型コロナウイルスの1日当たりの感染者が最多の5人となった4日、県は「フェーズ(局面)が変わった」と表明し、急速な感染拡大への対策が必要だと呼び掛けた。県民からは「極力外出を控える」など、市中感染への強い危機感や不安の声が上がった。識者は医療機関の機能を維持するため、症状がない人はむやみに受診しないなど県民が冷静な対応を取るよう呼び掛けた。

 新型コロナウイルス感染症を巡り、県内では4日、1日で最多となる5人の患者が確認された。住んでいる地域は那覇市や宜野湾市、南部、中部と県内各地で、世代や性別、職業もばらばらで、感染経路が分からない患者は2人いた。県民は「経路不明が一番怖い」「収まるまで出歩かない」などと懸念し、感染への不安は高まっている。

 「ついに来たのか」。本島南部のショッピングセンターで買い物をしていた南城市の会社員男性(49)は険しい表情を見せた。この日は娘の入学式の準備で外出したが、休みは家族全員自宅で過ごすようにしている。「収まるまでは外には出歩かない。(沖縄で)これまでに多くの感染者が出なかったことが、不思議なくらいだった」と表情を曇らせた。

 名護市田井等の会社員、宮里奈利龍さん(34)は志村けんさんの死去に触れ、危機感が高まっていたという。県内で感染経路が分からない事例が増えていることに対して「手洗いやマスクなどできることをしたい」と話した。

 沖縄市の上原俊雄さん(67)は市内の書店で本をまとめ買いしていた。不透明な感染経路について「一番怖い。いよいよ沖縄も市中感染が広がっているのでは。自分の身は自分で守るしかない。しばらくは極力外出を控えたい」と語った。

 ホテルでベッドメーキングに従事する那覇市の女性(63)は、別の疾患で入院する家族がいる。「手洗いや消毒、マスクの着用を徹底している」と不安そうだった。