残った鉄板の撤去、半年延長 北部訓練場の跡 遅れで経費8000万増


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 【国頭・東】沖縄県国頭村と東村にまたがる米軍北部訓練場返還跡地のヘリコプター着陸帯周辺にライナープレート(防護壁)や鉄板が残されている問題で、3月末を契約期限とした沖縄防衛局による鉄板の撤去・搬出業務が完了せず、受注業者との間で9月末まで期間を延長したことが9日までに分かった。防衛局は当初1億6720万円だった契約金を約8千万円増額する契約更新をした。

 契約更新日は3月31日付。防衛局は本紙の取材に対し「一部の鉄板などの撤去は完了している」とした上で、撤去完了が遅れた理由について「国立公園特別保護地区に指定され、自然公園法に基づく土地の形状変更などの協議に時間を要した」と回答した。今後の撤去作業時期については「関係機関との協議が必要で、明確に着手時期を答えることは困難だ」と述べるにとどめた。

 約8千万円の増額分については「鉄板搬出や植生回復のモニタリングに際して、自然環境保全にかかるフォローアップ業務」に充てるとしている。

 チョウ類研究者の宮城秋乃さんは「たった半年の間で自然に影響を与えずに撤去するのは困難だ。防衛局は一部の撤去は完了したと主張するが、どこまで作業が進んだのか疑問で信用できない」と語った。