泡消火剤 市街地に拡散 流出一夜明け 米軍、除去せず放置


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米軍普天間飛行場から流出し、住宅地に迫る泡消火剤=11日午前8時17分ごろ、宜野湾市大謝名(金良孝矢撮影)

 【宜野湾】米軍普天間飛行場から発がん性が指摘される有機フッ素化合物の一種PFOS(ピーフォス)を含む泡消火剤が基地外へ流出した問題で、発生から一夜明けた11日、宜野湾市嘉数と大謝名の間を流れる宇地泊川で大量の泡消火剤が確認された。消火剤の泡は風にあおられ川周辺の公道や住宅街にも拡散した。市消防本部が川で除去作業に当たったが、量が多すぎたため断念。国、米軍は飛行場外の除去作業をせず、大量の消火剤が除去されないまま放置されている。 

 流出事故を受け、市は同日、基地内への立ち入り調査を米軍に求めた。県も近く立ち入り調査を求める。10日に飛行場から流出した泡消火剤は、比屋良川からつながる宇地泊川に流れ込んだ。海兵隊政務外交部長のニール・オーウェンズ大佐と現場で面談した市職員によると、飛行場内には4千リットルの泡消火剤があり、米軍が流出量や原因を調べているという。

 米海兵隊は流出事故が消火システムの作動によるものだと説明した上で「詳細は調査中だが、航空機事故によるものではない」と回答。「泡を短時間触ることによる即時の危険はない。誤飲のリスクがあるため泡を避けてほしい」と呼び掛けた。

 県環境部は、比屋良川や宇地泊川などから泡消火剤を採取した。市も採取し検査する。市や防衛局によると、市消防が回収した泡消火剤は約250リットルとみられ、飛行場内に運び込んだ。今後、廃棄される通し。

 和田敬悟副市長は11日、同飛行場の基地司令官デイビッド・スティール大佐に基地内への立ち入り調査を求めたが、スティール大佐は「自分たちでは判断できない」と述べるにとどめたという。県は13日以降に米軍へ抗議することも含め対応を検討している。市も13日以降、米軍や関係機関に抗議する方向。市議会基地特別関係委員会は13日に対応を検討する。泡消火剤は、隣接する浦添市で目撃したとの情報もある。