新型コロナウイルス感染症の拡大が止まらない現状を受け、小中高校や特別支援学校の一斉臨時休校が延長される。始業式・入学式が行われず、担任と児童生徒が顔を合わせないまま1カ月間休校する学校も多い。休校の長期化で、学習面の遅れをどう取り戻すのか、児童生徒の心身の健康をどう保つのかなど、学校現場ではさまざまな問題が浮上している。保護者からは、外出が制限され、ストレスがたまる子どもを心配する声も上がる。
大学進学を目指す生徒が多い那覇国際高校の大城正教頭は、本年度から制度が変わる大学入試への対応遅れを危惧する。「1、2年生で習う内容が大学入試の基本ではあるが、本校は国立を受験する生徒が多く、2次試験対策まで含めて準備するのでかなりの遅れになっている」と顔を曇らせる。休校期間の延長で追加の課題を準備することになり、各教科の教員が慌ただしく準備しているという。
那覇市内のある中学校は休校中に教科書配布の日を設けたものの、配布できたのは約半数だったという。校長は「配布を求める声もあれば、感染拡大への心配から配布に反対する声もある」と、板挟みの心境を吐露。また「3月も休校があり、曖昧に終わった教科もある。担任も生徒と顔合わせをしていないので、生徒へ出した課題の点検すら難しい状態」と休校中の指導の難しさも語った。
同校では生徒指導のため校区内の見回りもしており、校長は「校区外に出ていたり、店の中に入ったりしていたら分からない。ずっと家にいるのもつらいだろうが、危ない所へ出掛けてしまうのも困る」と心配した。
休校中は部活動も行われず、子どもたちの活動場所は限られる。県PTA連合会の下地イツ子会長は「家庭学習ができていない状況や友達に会えないこと、外出を制限されていることによるストレスが心配だ。生活リズムの狂いも生じている。子どもたちはエネルギーを発散する場所がなくて困っている」と訴えた。