糸満ハーレー戦後初の中止 沖縄夏の風物詩 新型コロナ感染で


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2019年に開催された糸満ハーレーの様子。フィナーレを飾るアガイスーブで競い合うこぎ手ら=2019年6月6日、糸満漁港中地区(ジャン松元撮影)

 【糸満】毎年旧暦5月4日(ユッカヌヒー)に開催される沖縄県の糸満ハーレーが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて中止することが15日、決定した。今年は6月24日に開催される予定だった。糸満ハーレーの中止は戦後初めて。

 ハーレー行事委員会(東恩納博委員長)は13日、委員に向けて「令和2年度糸満ハーレー行事の中止について(協力要請)」と題した便りを配布。その中で、国が緊急事態を宣言したことなどに触れ「極めて危険な状況」と記し、「この様な異常な社会状況の下で糸満ハーレーを開催することは(中略)感染拡大を助長しかねない」として委員に中止への同意を求め、15日に決定した。

 「御願に始まり御願で終わる」といわれ、恒例となっている同志糸満の山巓毛(さんてぃんもう)での鉦(かね)打ちは、予定通り6月18日の早朝に実施される。

 鉦打ちは漁師の航海安全や家内安全などを祈願するもの。東恩納委員長は「今回はコロナの収束も願い、鉦を打つ。中止は残念でならないが、平穏な暮らしが一日でも早く戻ることを願っている」と話した。【琉球新報電子版】