宮古島出張の陸自隊員感染 「強行」式典後に確認 接触4人を自宅待機


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部隊編成が完結した宮古島駐屯地の隊員ら=5日午前、宮古島市上野野原の陸上自衛隊宮古島駐屯地

 【宮古島】3月25~28日にかけて熊本県の健軍駐屯地から宮古島駐屯地に出張していた50代の男性陸上自衛隊員が、熊本帰任後に新型コロナウイルスに感染していたことが4月18日までに分かった。陸自西部方面総監部によると、陽性が確認された7日、宮古島駐屯地は男性隊員が滞在中に接触した隊員4人を、それぞれの接触日から2週間の自宅、自室の待機をさせた。4人は17日までに職務復帰した。同部は取材に「発熱など体調に異変がなかったため」と説明した。

 宮古島駐屯地は5日に200人規模の部隊編成完結行事を計画し、宮古地区医師会がコロナウイルス感染拡大防止の観点から延期を求めたが、宮古島駐屯地は行事を強行した。医師会の岸本邦弘副会長は「体調に異変がないから大丈夫ではない。陸自は、検査して市民に証明する責任がある。市民を危険に陥れたことは問題だ」と批判した。西部方面総監部によると、男性隊員は宮古島市から帰任後の3月29日、発熱した。一時平熱となり4月1~3日まで出勤した後、6日に入院し、7日に陽性が判明した。熊本保健所の指導のもと、同隊員と接した健軍と宮古島の両駐屯地の隊員複数人を自宅で待機させた。

 ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会は18日、宮古島駐屯地を訪ね抗議した。男性隊員の宮古島での行動歴、同隊員に接した4人の健康状態など詳細について、22日までに文書での回答を求めた。仲里成繁代表は「防衛相が会見で触れただけで、いまだ詳細が市民に伝えられていない。万が一があれば大変だ」と憤った。