「難局の打開へ懸命」「コロナ対策不十分」<県議選紙面座談会②安倍政権の評価、改憲・自衛隊>


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 5月29日告示6月7日投開票の県議選に向け、琉球新報は県内7政党を対象に「紙面座談会」を実施した。出席者:島袋大氏(自民党県連幹事長)照屋大河氏(社民党県連委員長)鶴渕賢次氏(共産党県委委員長代理)上原章氏(公明党県本幹事長)当山勝利氏(社大党副委員長)清水磨男氏(国民民主党県連代表)有田芳生氏(立憲民主党県連代表)

左上から右に、島袋大氏(自民党県連幹事長)照屋大河氏(社民党県連委員長)鶴渕賢次氏(共産党県委委員長代理)上原章氏(公明党県本幹事長)当山勝利氏(社大党副委員長)清水磨男氏(国民民主党県連代表)有田芳生氏(立憲民主党県連代表)

 

【安倍政権の評価】

難局の打開へ懸命 公明・上原氏
コロナ対策不十分 立民・有田氏

―安倍政権をどう評価するか。

 上原 新型コロナ対策で厳しい状況だが、自公連立の中で国民生活の向上のために懸命に頑張ってきた。難局を乗り越えるために一致協力していきたい。

 当山 県民の民意を無視し辺野古新基地建設を強行する政権は全く評価できない。新型コロナへの対応も遅く、対策予算も国民生活を無視したものだ。

 清水 本年度予算に新型コロナ対策費を計上せず、検事の定年延長問題、森友問題、桜を見る会疑惑、種子法の問題、何を挙げても全く評価できない。

 有田 戦後最悪の内閣だ。新型コロナ対策を十分に打ち出せず、森友・加計学園や桜を見る会の問題でも不誠実な対応を繰り返しており信頼に値しない。

 島袋 安倍政権により日本経済は力強さを取り戻し、高等教育の無償化など、さまざまな成果を生んだ。新型コロナ感染拡大にも力強く対応している。

 照屋 評価しない。弱者軽視の経済政策、辺野古強行の民意無視、地方自治軽視の沖縄政策、モリカケや桜を見る会などで政治を私物化している。

 鶴渕 新基地建設強行、消費税増税、年金削減、9条改憲、桜を見る会、汚職、公選法違反など、安倍政権は戦後最悪。一刻も早く退陣すべきだ。


【改憲・自衛隊】

軍拡転換し軍縮へ 共産・鶴渕氏
変化に即して改正 自民・島袋氏

―改憲や、自衛隊の位置付けについての考えは。

 照屋 結党以来、護憲を訴え続けた日本唯一の護憲政党だ。ぶれずに平和憲法の堅持を訴える。専守防衛に徹した最小限の自衛力・自衛隊は合憲との立場だ。人命救助・災害対応に尽力する自衛隊に敬意を払うが戦争法に基づく海外派兵や離島防衛には反対だ。

 鶴渕 安倍政権の憲法9条改悪のたくらみを断念させ、大軍拡路線を転換して軍縮を目指す。命どぅ宝、反戦平和の沖縄の心、憲法9条を生かした平和外交への転換を図る。自衛隊は憲法違反の存在だ。当面、海外派兵と軍拡予算の見直しを野党共闘で追求する。

 上原 9条は憲法の平和主義を体現するもので今後も堅持するが、新しい価値観や課題が明らかになれば、現憲法を維持しながら必要な規定を付け加える「加憲」を主張する。多くの国民は自衛隊は必要と認めているので9条改憲の是非は慎重に考えるべきだ。

 当山 平和憲法である日本国憲法を守ることは大切で、改正は全く必要ない。9条の改定に至っては論外だ。平和憲法があるからこそ、米国統治下の沖縄は本土復帰を望み、実現した。自衛隊に関しては地元住民の理解が得られないまま配備すべきでない。

 清水 現与党の憲法改正案には反対だが、憲法の議論は積極的に行う。手続法である国民投票法の改正案を国民民主党は既に提案している。自衛隊という組織名を憲法に書き込むかどうかより、武力行使の範囲をどこまで認めるかの議論の方がはるかに重要だ。

 有田 権力を制約し、国民の権利の拡大に寄与するとの観点から、国民にとって真に必要な改定があるならば積極的に議論、検討する。集団的自衛権の一部行使を容認した安保法制や現行の憲法9条を残して自衛隊を明記する「自衛隊加憲論」には反対だ。

 島袋 現行憲法は制定から70年以上がたつ。基本原理の国民主権・基本的人権の尊重・平和主義を堅持しつつも時代の変化に即した改正を実現すべきだ。我が党は自衛隊明記、緊急事態対応、合区解消、教育充実について改正を提案しており、議論を喚起したい。

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