「県独自の交付金を」「催し中止も対象に」<新型コロナ政党座談会④企業補償、子どものケア>


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新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、琉球新報は県内の各政党による「紙面座談会」を実施した。

 ―県経済をけん引してきた観光業や小売業など、幅広い業態に影響が出ている県内企業の救済に向けた方策をどう考えるか。

 当山 中小零細企業や個人事業主が多い沖縄では、固定費の補助や損失補填の拡充など迅速な対応が求められる。激増する相談への対応強化も急務だ。返済できない場合の免除なども検討すべきだ。

 清水 国による減収補填のほか、税金や社会保険料、公共料金、銀行債務の支払い猶予など緊急対策が必須だ。個人補償では家計に、固定費などの保障で事業者に耐えてもらい、終息後の支援につなげる。

 有田 自粛要請で直接、間接を問わず影響を受けた事業者に対して、経済的損失や前年同月比の収益、所得の減少幅を一定割合で補填すべきだ。事業と生活水準を維持する措置が必要だ。

 島袋 起業率が高い沖縄では、資金繰りが困難な小規模事業者が多い。事業者を経済活動の縮小から守るための支援策を講じるべきだ。行政から支援を得る際の手続きをバックアップする仕組みも必要だ。

 照屋 小規模事業者や個人事業主の資金繰りのため無利子・無担保の融資を拡充させる。地域金融機関の円滑化により、償還免除や雇用調整助成金受給までのつなぎ融資など大胆な措置で難局を乗り越えたい。

 鶴渕 国が固定費などを補償し、税金や社会保険料を減免すべきだ。イベント中止によるキャンセル料などの補償も必要だ。無担保・無利子の融資手続きを簡素化し、受付窓口を拡大させ審査の迅速化を図る。

 上原 国や県、市町村ごとの支援策を分かりやすく情報提供する。窓口での手続きを簡素化し、マンパワーの確保により迅速な対応を促す。県独自で交付金を創設するなど中小企業や小規模事業者を支援する。

【子どものケア】

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、琉球新報は県内の各政党による「紙面座談会」を実施した。

 ―臨時休校が続く教育現場への対応はどうすべきだと思うか。

 上原 学習に遅れが生じてはいけない。県は学校のホームページなどを通して課題提供などを講じるとしているが、困窮家庭への機材の貸し出しや、利用できない世帯には紙の教材提供も検討すべきだ。

 当山 児童生徒に教科書が配布されていない自治体は早急に行うべきだ。学校はプリント教材などの自主学習を促しているが、保護者の協力も必要だ。学習の遅れを取り戻すため夏休みの活用も検討したい。

 清水 子どもの特性に応じたケアや地域間の学習環境の格差などは国の措置が不可欠だ。家庭内の児童虐待の避難先が学校であった子どもたちもいる。休校中も教員と児童相談所の連携などが求められる。

 有田 オンライン授業の実施や支援など必要な措置を講じていく。文科省が学習支援コンテンツを科目別に公表している。県教育委員会でも、このような家庭学習の教材や工夫例を活用し、普及すべきだ。

 島袋 学習や運動の機会の確保が課題だ。学習支援ウェブサイトでは在宅での学習方法やストレッチ体操などが紹介され、積極的に活用することで感染リスクから子どもたちを守ることにつながる。

 照屋 安倍政権の無責任な休校要請は、学習方法や居場所づくりなど自治体に丸投げ状態だ。学校再開の判断のほか、失われた学習と部活動の機会の保障、給食などの事業補填(ほてん)は国が責任を取るべきだ。

 鶴渕 教員や養護教諭が教育相談を実施すべきだ。家庭学習で利用できる教材提供のほか、在宅で過ごすことが困難な児童生徒を対象に学校での見守り、昼食提供も可能だ。児童虐待の支援強化も求められる。


<出席者>

島袋大氏 自民党県連幹事長
照屋大河氏 社民党県連委員長
鶴渕賢次氏 共産党県委委員長代理
上原章氏 公明党県本幹事長
当山勝利氏 社大党副委員長
清水磨男氏 国民民主党県連代表
有田芳生氏 立憲民主党県連代表