牛の血統、23頭でDNA不一致 沖縄県が全授精師調査へ JAは全頭検査求める


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 久米島町内の家畜人工授精師が種付けした牛で血統矛盾が確認されている問題で、同人工授精師が種付けした血統牛「安福久」を中心とした牛81頭のDNA検査結果が20日までに出そろい、14頭でDNA不一致が判明した。購買農家からの指摘や別の血統牛の検査で不一致が報告された結果と合わせると、計23頭で不一致が出たことになる。県は4月中にも、県内の全家畜人工授精師の立ち入り検査を開始する。

 JAおきなわは沖縄の子牛産地としての信頼が揺らいだとして、信頼回復のために県内の全頭DNA検査の実施を県に求めている。ただ、県は「久米島町の家畜人工授精師の原因究明が優先事項」として、全頭検査の実施を現時点で視野に入れていない。

 JAおきなわは久米島町内で飼養されている牛につては、農家負担で全頭DNA検査を計画している。JAおきなわの担当者は「信頼が価格につながる。農家の子牛の競り価格を守るためだ」と話した。

 県家畜改良協会は2月から、久米島町内の人工授精師が種付けした「安福久」を中心とした牛81頭のDNA検査を実施してきた。さらに同協会は、同じ人工授精師が種付けした「安福久」血統以外の牛199頭についてもDNA検査を実施している。20日時点で101頭の検査を終え、4頭の不一致を確認した。