玉城デニー沖縄県知事は20日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、沖縄県独自の「緊急事態宣言」を発出した。医療提供体制の確保に取り組むほか、県民に対して生活の維持に必要な場合を除き外出の自粛を要請した。人と人との接触機会を8割減らすために「沖縄5分の1アクション」として、出勤を週5日から1日に減らすなど県民活動を5分の1にする取り組みを推進すると説明した。離島での感染拡大を防ぐため、緊急の場合を除き、本島と離島、離島間の移動もやめるよう求めた。飲食店などへの「緊急支援金」も検討しており、休業要請や補償など緊急事態措置の詳細を22日に発表すると述べた。
宣言の発出期間はおおむね5月6日までとしている。
玉城知事は政府に対し、重点的に対策を進める「特定警戒都道府県」に沖縄県を指定するよう求めると説明。N95マスクなど不足している医療資機材の優先的確保、広域的な応援も含めた医療提供体制への支援などを国へ要請する。
同日夕、記者会見した玉城知事は「まさに今が感染拡大を食い止める瀬戸際だ」と、切迫した医療体制の維持に向けた県民の理解と協力を求めた。また、感染拡大防止に向けて「これから大型連休までの間の自覚と行動がとても大切だ」と述べた。
県内では3月下旬以降、「移入例」による感染が増え、4月以降は家族内の二次感染や感染経路が不明な患者も急増。医療体制の確保が喫緊の課題になっている。PCR検査体制の拡充や離島における医療提供体制の整備を図るとともに、事業者に対しても勤務日数の制限やテレワークの推奨、スーパーなどで混雑を避けるための入店管理など、人の接触を抑える取り組みを求めた。
また自身の給与を向こう1年間にわたって3割、副知事の給与を2割返上する方針を示し、来月開催の県議会臨時会へ条例を提案するとした。