支援・協力金「遅い」の指摘に県対応 届くのは6月以降か 独自の対応も


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<解説>
 新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業者への支援策として、県は22日、現金を給付する支援メニューをようやく打ち出した。16日に沖縄を含む全国が緊急事態宣言の対象となり、他県が次々と支援策を公表する中で、県内事業者からは「県の動きは遅い」との指摘も上がっていた。

 一方、支援メニューを三つそろえ、休業要請の対象に含まれない飲食、小売、認可外保育施設まで対象を広げている。他県の例と比べても対象業種は広く、県独自の枠組みがつくられた。県は飲食店が約7千社、休業要請への協力金は約1万社が対象となると見込んでいる。

 県幹部は「強い抑制をかけつつ、すでに影響が出ている事業者への『止血』の意味合いがある」とし、今回は早期に事業者へ現金を届ける目的の支援策だと強調している。

 ただ、支援メニューによって予算措置が異なり、実際に現金が給付される時期に差が出るとみられる。

 飲食店への緊急支援金は、既に予算化されている県の予備費を活用するため、県は24日にも申請時期などを公表する。

 一方で、休業要請の見返りとなる「協力金」や、小売業や認可外保育園などを対象とした「支援金」は国の交付金から支出するため、国会と県議会で予算の成立を待つ必要がある。

 政府が国会に補正予算を提出するのは今月27日で、成立は30日になるとみられる。県議会の補正予算議論は5月の大型連休後となり、実際に事業者の手元に届くのは6月以降になると見込まれる。

 玉城デニー知事は22日の会見で「県内中小・小規模事業者等の雇用と事業、生活を守り抜く取り組みを切れ目なく迅速に講じる」と強調した。感染症の終息が見通せない中、今回の支援だけではなく、事業者を守るさらなる支援策も求められる。
 (池田哲平)