苦境いつまで…休業要請対象の業者「ありがたい」「20万でも足りぬ」


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窓とドアを開け、少人数で休業前の授業を行う沖縄受験ゼミナールの講師と生徒。掲示物で感染症対策も呼び掛ける=22日午後8時半、那覇市安里の同校

 新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた緊急事態措置として22日、沖縄県内でも遊興施設などが休業要請の対象となった。対象施設の関係者は「この状況がいつまで続くのか」と先行きが見えない状況を憂慮する。要請に応じた場合は協力金の給付も受けられる。関係者らは「非常にありがたい」と歓迎する一方で「十分ではない」と不満の声も上がった。

 那覇市の桜坂劇場は23日から全館の臨時休業を決めた。ことしは15周年で、さまざまなイベントを準備してきたという。取締役興行部長の下地久美子さんは「15年間、台風以外は一日も休まず営業してきた」と無念さをにじませる。それでも「お客さんから再開を待つとの言葉をもらった。再開後は文化の発信地としてまた頑張りたい」と前を向く。

 うるま市でカラオケスナックを運営する苫和三さん(73)は「早い終息のために協力したい。(協力金は)非常に助かる」と休業要請を前向きに受け止める。心配なのは長期化だ。「5月6日までなら何とか乗り越えられるが、長引くと家賃も払えなくなる」と強調する。「国は当てにならない。県独自でどうにかしてほしい」と求めた。

 県外のライブハウスでの集団感染が報道され、沖縄のライブハウスはいち早く営業自粛を決めた。北谷町のライブハウスモッズは3月中旬から休業している。オーナーの喜屋武尚さん(59)は「支援金はありがたいが、対象にならない同業者もいるかもしれない。漏れがないようにしてほしい」と願った。

 予備校の沖縄受験ゼミナールは23日から5月10日までの休校を決めた。すでに自宅学習に切り替えた生徒は多いが、一部は授業を継続する。22日夜に授業を受けた高校2年の男子生徒は「授業の方が分かりやすい。家では集中できない」と困惑気味に話した。

 営業を継続する事業所もあった。本島内でゴルフレンジを運営する支配人の男性は「運動不足解消のために需要はある」と話す。検温、消毒、職員の時差出勤などできる限りの対応をして、開業する方針だ。那覇市内で個人ジムを運営する40代の男性は「協力金の回数も給付時期も分からない。職員もいるし20万円ではとても足りない」と打ち明ける。利用者は減っているが営業の継続を望む声もあり「休業するか迷っている」と戸惑った。