えさ探して車にひかれた? 「生きた化石」の交通事故死が多発


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「イボイモリ」(イモリ科)=名護博物館提供

 【北部】沖縄県指定天然記念物で、「生きた化石」と呼ばれる「イボイモリ」(イモリ科)のロードキル(交通事故死)が名護市で多発している。名護博物館は「新型コロナウイルスで3密を避けるため北部にドライブで訪れる人もいるはずだが、川の近くの道路などでは気を付けて運転してほしい」と呼び掛けた。

 20日夜から21日朝にかけて、イボイモリ12匹が名護岳の山頂部に続く林道で死んでいた。名護博物館友の会のメンバーが確認した。3月末から4月は繁殖期で、道路上のミミズを食べようと林道に出ていたところ、通行車両にひかれた可能性があるという。

名護岳の林道で車にひかれて死んだとみられる12匹のイボイモリ=21日、名護市の名護博物館

 名護博物館の学芸員、村田尚史さん(37)は「南部ではほとんど絶滅しており、希少な生物だ。北部で見掛けたら道路脇に誘導してほしい」と呼び掛けた。宮里ひな子さん(34)も「(イボイモリは)原始的な特徴を残している種で、国内希少野生動植物種に指定されている。一人一人が気を付けることでロードキルを減らしてほしい」と訴えた。