沖縄セルラー電話(湯淺英雄社長)は24日、2020年3月期の連結決算(対象子会社3社)を発表した。売上高に当たる営業収益は前年比1・5%増の680億5100万円、経常利益は同7・3%増の140億7400万円、純利益は同5・9%増の98億7400万円だった。増収増益は8期連続で売上高、利益いずれも過去最高を記録した。
電気通信事業法改正の影響で機種変更が落ち込んだことから端末販売売り上げは減少したが、モバイル契約件数が増加した。「auでんき」の提供開始でモバイルの解約率が減少した。
スマートフォンなどのモバイル純増数は1万7600件で前年比35・5%減と伸びは鈍化したものの、総契約数は同2・5%増の72万6900件。1人当たりモバイル機器数が前期の1・494台から1・518台へと増加し、1人当たり月間売上高を示す総合ARPA(アーパ)は同3・2%増の7045円。通期の解約率は0・05ポイント減少し0・61%だった。
1株当たりの期末配当金を77円に上方修正し、年間配当金は前期実績より15円増配の145円となる。増配は19期連続。
21年3月期の業績予想は営業収益が700億円、経常利益は140億8千万円、純利益は99億円とした。新型コロナウイルスの影響については現時点で合理的な算定が困難として、織り込んでいない。
同社は、既に実施している店舗の時短営業や景気悪化による法人・個人顧客の解約の可能性、楽天の本格参入による料金値下げ―を事業環境の不安要素に挙げ、「コロナ感染症拡大の影響が出始めており、当社の業績にも先行きには不透明感があり厳しい環境にある」としている。
◆沖縄セルラー副社長に菅氏 取締役に渡具知氏
沖縄セルラー電話(湯淺英雄社長)は24日、特別顧問の菅(すが)隆志氏(62)が新たな副社長に就任する役員人事を内定した。代表権は湯淺社長と菅氏が持つ。6月11日に開催予定の株主総会と取締役会で正式決定する。
仲地正和代表取締役副社長(62)は退任し、引き続き子会社の沖縄通信ネットワーク社長を務める。執行役員総務部長の渡具知武之氏(55)が新任の取締役となり、琉球大名誉教授の大城肇氏(68)が社外取締役に就く。友利克輝取締役(60)は退任し、沖縄通信ネットワークの専務取締役に就任する予定。
副社長に就く菅氏はKDDI執行役員コンシューマ営業本部長などを経て、2019年6月から20年3月にUQコミュニケーションズ社長を務めた。