沖縄バス運転手感染 発症後は出勤せず 会社は全車両消毒実施


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沖縄バスの車両=2018年撮影

 県は25日、新型コロナウイルスの感染が22日に判明した南部保健所管内の60代男性が、沖縄バスの運転手だったと公表した。感染が判明した沖縄バスの運転手は那覇バスターミナルと読谷村を結ぶ系統番号28番などで乗務していた。13日夜に発熱を訴え、同社は同日中に関係車両や施設などを消毒した。男性運転手は14日以降出勤していない。同社は現在、同僚の運転手2人を濃厚接触者として自宅待機させている。運行への影響は出ていない。男性運転手は業務中はマスクを着用していた。県は乗客との濃厚接触について調査を進めている。

 沖縄バスは、23日付でホームページ(HP)に経緯を公表した。同社は運転手が発熱を訴えた13日夜に乗務したバスや関係施設を消毒したほか、14日以降も運行終了後の全車両で消毒作業を実施するなど対策を重ねてきた。
 県などによると、男性運転手は13日に38度台の発熱があった後、近隣の医療機関を受診した。18日に別の病院で「肺炎」と診断され、20日に感染症指定医療機関で検体を採取し、22日に陽性が確認された。一方、沖縄バスによると運転手は計4カ所の医療機関を訪れ、4回目の受診でPCR検査を受けたという。同社の担当者は「医療機関も大変だと思うが、もっと早くに検査はできなかったのか」と話した。
 同社によると、運転手は3月中旬に入社し、4月3日から主に系統番号28番「読谷線」などの営業路線で乗務していた。濃厚接触については、厚生労働省が「発症2日前から1メートル程度の距離でマスクをせずに15分以上会話をするなど」と定義している。県は乗客との間でこうした状況が起こり得るのか調査を進める。運転手の乗務路線の詳細は、同社のHPで公開している。
 同社によると、濃厚接触し自宅待機となっている同僚の運転手2人を含め、現在体調不良を訴える社員はいないという。