「ファンに元気与えたい」 一緒に今季を戦って 琉球コラソン・石田孝一GM<コロナ禍のなかで>


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ビデオ会議アプリ「zoom(ズーム)」を通じてインタビューに答え、チームの変革を誓う琉球コラソンの石田孝一GM=4月25日

 ―選手やチームの現状は。

 「選手は誰とも接触せず個人でのトレーニングになっている。全体練習はできないが大型連休明けからウェブを使い全員が参加できるトレーニングを考えている」

 ―昨季は過去にない9位と低迷した。

 「戦う集団になりきれていなかった。ベテランが指摘できず、中堅も自分のことだけで全てが悪循環となり、立て直すのが難しい状況だった。個人のレベルはトップチームと差があるとは思わない。プレーオフに進める力はある。悪い中でも若い選手が頭角を現してきた。自分たちが支える、勝たせるんだという強い気持ちで取り組むよう若手に伝えている」

 ―昨季は予期せぬ中断で終わり、今季もリーグ開始の見通しが立っていない。できることは。

 「低迷の原因はチームワーク。そこを抜本的に改革したい。正式にGMとなり決定権を持つ立場になった。チーム環境を良くすることにも力を注ぎ、思い描くチームにしたい。連休明けのウェブを用いたコミュニケーションで、30分でもいいから選手が顔を合わせ共有する時間をつくる。全体練習ができない分、少しずつ関係性を立て直す期間にしたい」

 ―具体的に今季はどのようなチームに。

 「昨季、序盤のけがで離脱した佐藤草太がどこまで回復してレベルアップするか。若手や新加入組がどれだけ成長するか楽しみにしている。ベテランには起用が減るだろうとも言っているが、それをはね返すことを期待する。チームの活性化を狙いたい」

 ―運営面の不安は。

 「収入はスポンサーと観客収入の二つが柱。正直厳しい。運営が回るか懸念している。こういう時だからこそ個人からの支援、ファンを増やし、ファンクラブ収入を柱にしていきたい」

 ―ファンも変化を楽しみにしていると思う。伝えたいことは。

 「新たなコンセプトの下、しっかりとしたチームをつくっていく。私たちはほかのプロチームと比べ、環境は恵まれていない。だからこそ環境に左右されず必死にボールを追い掛けて心をつかむプレーで、沈みがちなファンに元気を与えられたらと思う。一緒に今季を戦ってほしい。期待値を上回るコラソンを見せたい」
 (聞き手 謝花史哲)

昨季まで活躍した村山裕次の引退セレモニーでファンらと一緒に写真に納まるコラソンのメンバーら。低迷するチームは若手起用で立て直しを期す=2月11日、豊見城市民体育館