「特権」軍属1.5倍に急増 女性暴行殺人4年 地位協定の壁厚く


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元海兵隊員によって殺害された女性の遺体が遺棄された現場には献花台が設置された=2017年、恩納村)

 2016年4月、本島中部でウオーキング中だった女性が殺害された米軍属女性暴行殺人事件の発生から28日で4年を迎える。日米両政府は無期懲役が確定した受刑者が米軍属だったことから、軍属の範囲や基準を見直す日米地位協定の補足協定を結んだ。だが裁判権などの特権が地位協定によって認められた軍属は16年末時点で約7300人だったが、外務省沖縄事務所によると、19年9月12日時点で1万1280人と増加している。

 同事件を受けて補足協定では軍属を8分類化した。事件の男は米政府が直接雇用していないコントラクター(請負業者)の従業員だった。

 外務省関係者はこの男が軍属の対象から外れることは明らかにしたが、軍属の要件を満たすコントラクターには「合同委員会により特に認められること」などの条件があり、米側などの裁量によって軍属の対象となるかが左右される可能性がある。16年末時点でコントラクターの従業員は約2300人だったが19年9月時点では2496人に増加した。