キク廃棄、採算合わず…心痛める農家 コロナで需要急減


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施設内のコンテナに廃棄処分され山積みとなったキク=24日、伊江村西江前の花卉(かき)選別施設

 【伊江】沖縄県内でも花卉(かき)栽培が盛んな伊江村で、新型コロナウイルスの影響で花卉需要が落ち込み、出荷予定だったキクを処分せざるを得ない状況が続いている。村内の農家は肩を落とし、心を痛めている。

 県産のキクは県外で彼岸用として全国の市場へ出荷されるが、緊急事態宣言による外出自粛などの影響を受け、県内や県外市場でキク全体の単価が下落している。伊江村西江前の村花き選別施設では、県花卉園芸農業協同組合伊江支部の組合員らが出荷予定だったキクが、輸送費や箱代などを含めると採算が合わず運賃割れすることから、出荷を見送った。キクは施設内にあるコンテナに廃棄処分された。

 農家の並里幸宏さん(37)は「900坪の畑に植えたキク約12万本を処分した。中国から4人を雇用し、人件費などもかさむ中、来期の生産計画も立てたいがコロナウイルスの影響で不透明な状況だ」と話した。