新型コロナウイルス感染防止策として在宅勤務が進む一方で、コールセンターのオペレーターらは大人数がひしめく換気が悪い空間で顧客対応を迫られている。オペレーターは非正規雇用の従業員が9割と言われている。沖縄県内のコールセンターで勤務する人は「取り残されて危機に陥っている」と語り、業務環境の改善を強く求めた。
県内のコールセンターで働く複数の人から、新型コロナの感染対策が不十分だという懸念が本紙に寄せられた。全国でコールセンターを展開する企業の、県内の事業所で働く30代女性が取材に応じた。新型コロナ対策として3密(密閉・密集・密接)の回避が推奨されるが、女性の職場には100人以上が勤務し、手を伸ばせば隣に座る人に触れられる距離で業務を行う。換気は天井近くの通風口が数センチ空いている程度で「3密の状況だ」と訴える。
職場ではマスク着用が徹底されず、出勤時の検温で37度を超えた人にだけ配布される。雇い止めとなる懸念もあり、会社に改善を求めることは難しいという。県地域保健課に相談したが、職員が対応を断ったといい「知事がクラスター回避を呼び掛ける中で平然と断られたのはショックだ」と肩を落とす。
この事業所を運営する会社の広報担当者は、本紙の取材に「緊急事態の中でコールセンターは社会インフラとしてニーズが高まっている。従業員の安全にも配慮しながら、できる対策は徹底していく」と話した。従業員の間に距離を取るなど、これまで以上に対策を進める考えを示した。
労働相談などを受け付ける労働組合「総合サポートユニオン」(東京)によると、全国のコールセンターで働く100人程度から同様の相談が寄せられている。5月4日午後1時~5時まで、職場の感染対策不備に悩んでいる人たちからの相談ホットラインを設ける。番号は(電話)(0120)333774(通話無料)。