伝統の与那原大綱曳、コロナで11月中旬に 3カ月超の延期は108年ぶり


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与那原大綱曳の11月中旬延期を決めた同運営委員会の総会=1日、与那原町コミュニティーセンター

 【与那原】8月15、16の両日に開催予定だった「第38回与那原大綱曳まつり」は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で屋台やステージイベントなどの祭りは中止し、与那原大綱曳のみ11月中旬に延期すると1日、与那原町コミュニティーセンターで開かれた同運営委員会総会で決定した。

 総会では開催についての議案が審議され、新型コロナウイルスの感染状況を見据えて、8月末時点で「緊急事態宣言」が解除され、県内での新型コロナウイルスの感染が終息し、国や県が終息宣言を出した場合、3カ月後の11月中旬に開催する。感染が終息していない場合は中止を宣言する。与那原大綱曳が3カ月以上延期するのは明治天皇の崩御で自粛した1912年以来108年ぶりという。

 委員長の照屋勉与那原町長は「与那原大綱曳は町民のアイデンティティーなので、町民に元気を与える意味として延期してでも開きたい」と話した。与那原大綱曳実行委員会の山内和実委員長は「与那原大綱曳は無病息災などを祈願する神事なので、開催したい」と伝えた。

 与那原大綱曳は440年余の歴史を持つ沖縄三大綱引きの一つ。昨年2月には第23回ふるさとイベント大賞(地域活性化センター主催)の大賞(内閣総理大臣賞)を受賞した。【琉球新報電子版】