社会

憲法記念日 「コロナ禍でこそ9条の精神を」 市民が不戦の誓い

 日本国憲法は3日、1947年の施行から73年を迎えた。沖縄戦終結から75年の節目ともなる今年は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「緊急事態宣言」が発出される異例の事態下で、安倍晋三首相ら自民党内の複数から「私権制限」を拡大させる緊急事態条項の創設を求める声も上がる。コロナ禍が猛威を振るう中、識者からは性急な改憲論議に警戒する声が上がり、県内では憲法9条の条文が刻まれた「九条の碑」の前で静かに平和憲法の意義を見つめ直す取り組みも行われた。地上戦を経験し、今も過重な米軍基地の負担に苦しむ沖縄。揺れ動く情勢の中で、不戦を誓った憲法9条の精神、基本的人権の尊重を堅持できるか否かの岐路に立たされている。


「九条の碑」の清掃を行う真栄里泰山さんら=2日、那覇市

 憲法記念日を前に、県憲法普及協議会の真栄里泰山さん(75)ら市民4人が2日午後、那覇市与儀公園にある憲法9条の条文を刻んだ「九条の碑」に集まった。真栄里さんらは大雨の中で汚れが目立っていた石碑を清掃。「今こそ9条の精神を見直す時だ」と改めて不戦の誓いを立てた。

 真栄里さんらは一時、大雨洪水警報が発令されるほどの激しい雨の中、石碑にこびりついていた土砂やコケ、石灰の汚れを落とした。

 3日には県憲法普及協議会などが主催して行われる予定だった講演会が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止に。それでも、「なんとか憲法を大事にしようと考える機会にしたい」という思いを持つ真栄里さんら有志が集まった。


清掃を終え「九条の碑」への思いを語る真栄里泰山さん=2日、那覇市

 湧田廣さん(72)は「石碑の汚れを落として、改めて憲法に思いをはせることができた」とすっきりした表情を浮かべた。

 九条の碑は1985年、同所に国内で初めて建立された。その後、南風原町や読谷村など県内6カ所に相次いで建立された。

 石碑には9条の条文と共に「恒久平和」の文字も刻まれている。建立当時、市職員だった真栄里さんは、元市長の親泊康晴さんから「恒久平和というのは戦争体験を踏まえた県民の要求だ」と聞かされたという。

 真栄里さんは、「世界との協調が求められているコロナ禍の今こそ、9条の精神を見直す時だ」と強調した。



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