ガソリン一部で90円台 需要減り価格急落、店は「メリットない」


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
渋滞する那覇市内の国道58号(2019年3月)

 沖縄県内では3月下旬からレギュラーガソリンの小売価格が急下落し、1リットル当たり百円を切る給油所も出てきた。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた経済活動や外出の制限で、原油需要が急速に減少し小売価格に影響している。関係者からは価格競争を懸念する声の一方で、外出自粛による需要の減少で「安く販売しても利益が出ない」と窮状を訴える声も漏れた。

 沖縄市内のある給油所の店長は「ここ1カ月近く価格が下がっている」と話す。店頭割引などでレギュラーガソリンが1リットル百円を切る時もあるが、近隣では90円台前半で販売している所もあり「固定費などを考えるとそこまではついていけない」と困惑する。

 別の店長は利用者が「前年の同時期と比べて約15%減少している。価格が安くても集客がないので店側にメリットはない」と訴える。

 経産省が発表するレギュラーガソリンの全国平均小売価格は、1月下旬から4月27日時点まで14週連続で下がり続けている。ある小売大手の担当者は「全油種で1リットルが毎週2円ずつくらい下がっている」とし、今後1カ月は下落が続くと推測する。価格が下がっても、新型コロナによる外出制限解除の動きは見通せず需要は頭打ちとなっており「ガソリンが売れず(価格)競争が始まりそうな地域もある」と競争激化を懸念している。