沖振法「延長必要」62人 県議選予定候補者調査


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 6月7日投開票の県議選立候補予定者に向けて琉球新報が実施した政策アンケート。

 沖縄振興特別措置法は2002年に成立以降、10年ごとに延長されてきた。21年度に期限切れを迎える同法延長の是非について、与野党問わず大多数の立候補予定者62人(96・8%)が延長は「必要」の立場を取る。「必要ない」は2人(3・1%)にとどまった。

 延長の理由として全国との所得格差などを挙げ、教育や福祉分野、新たな産業の基盤構築に向けた活用を求めた。また新型コロナウイルスの感染拡大を受け「新型コロナに関する経済施策を計画に盛り込むべきだ」との意見もあった。

 「必要ない」を選んだ立候補予定者は「県が主体的に課題を洗い出し、独自の政策を展開すべきだ」などの理由を挙げた。

 沖縄振興特別措置法に基づく沖縄振興一括交付金は12年度に創設され、県の裁量の自由度が高まった。一方で、執行率改善の課題があるほか、政府の意図で予算が増減するという指摘もある。一括交付金についても、立候補予定者の大半に当たる60人(93・7%)が「評価する」を選択した。「評価しない」と「その他」は各1人、「分からない」が2人だった。

 一括交付金の配分について「計画の実行力が高い市町村に優先して分配すべきだ」「県は市町村と連携を密に行う必要がある」など、市町村ごとの均衡が課題として挙げられた。小規模市町村の立候補予定者は「財政力の厳しい市町村に配慮してほしい」と要望した。

 また国が市町村に直接交付する沖縄振興特定事業推進費について「不公平感がある」「国の関与が強まる」と懸念する声もあった。

 評価しない立候補予定者は「知事や首長の政治姿勢で総額が増減されたり、事業認可が左右されたりするなど、意図的に対応を変えている」と指摘した。