「人と会えず寂しい」「あと半年は自粛かな」都内の沖縄県出身学生、不安とともに


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新型コロナウイルス感染防止のため、寮でオンライン授業の準備をする岸こころさん(右)と金城咲希さん=2日、東京都世田谷区の沖英寮

 【東京】緊急事態宣言の延長が決まる中、全国でもいち早く都知事から外出自粛要請が出され1カ月以上がたつ東京で、外出を控えて暮らす沖縄県出身の大学生らはどんな生活を送っているのか。寮生活を送る学生は中庭で運動したり、友達とオンライン飲み会をしたりと工夫を凝らす。感染のリスクにも気を配りながら一日も早い終息を願っている。

 沖縄出身男子学生向けの南灯寮(東京都狛江市)。新型コロナ禍がなければ33人の寮生がいるが、帰省から戻れない学生や入寮できない新入生もいて、現在は17人だけだ。大学やサークルに行くこともなく、シフトが減ったバイト以外は寮にこもりきり。ストレス発散のため中庭でミニ野球をしたり、ランニングをしたりして体を動かす。

新型コロナウイルスで外出もままならない中、ストレス発散で寮の中庭で野球をする寮生ら=4日、東京都狛江市の南灯寮

 大学もオンライン授業が始まっているところもあれば、5月末からのところもあり対応はまちまちだ。授業がない時間に自習をする学生もいるが「時間が余って暇だ」との声が漏れる。沖縄の高校時代の同級生や大学の同級生との電話が増えたという。中にはサークル仲間とオンライン飲み会を敢行する学生もいた。

 南灯寮の寮長仲里脩平さん(20)=法政大2年、那覇市出身=は「オンライン授業は通信環境によってタイムラグもあり、対面でやるよりゼミも発言量が減るようだ」と授業でのやりにくさも感じる。バイトも出勤日数が削られ、これまでは寮の食事時間がばらばらだったのが、食堂が開くと皆そろって出てくる。寮にいる時間が長いが「ほかの皆にうつしたら迷惑がかかる。外出などは気を付けていて、感染防止の意識は強い」と話した。

 女子寮の沖英寮は現在6人。寮長の金城咲希さん(19)=成蹊大2年、那覇市出身=は「昨年は20人いたので、それと比べて人と会うことも少なく寂しい。緊急事態宣言が出る前から外出は自粛していたので、あと半年ぐらいは自粛なのかなと思っている」と長期戦を覚悟した。

 同じ沖英寮の岸こころさん(19)=上智大2年、浦添市出身=は、まだオンラインでも授業が始まっていない。「学校の施設も使えず、授業はいつあるか分からず、先行きが見えないのは不安だ」と明かした。
(滝本匠)