小学校の池で指針値超える有害物 泡消火剤の流出事故


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 【宜野湾】米軍普天間飛行場から有害性が指摘されている有機フッ素化合物PFOSなどを含む泡消火剤が流出した事故で、沖縄県宜野湾市は7日、市内で採取した水質検査の結果を公表した。泡が滞留した宇地泊川(比屋良川)に隣接し、泡が浮いていたという大謝名小学校内の池の一つでは、PFOSとPFOAの合計が1リットル当たり51ナノグラムとなり、米国の暫定指標値(同40ナノグラム)と日本の暫定指針値案(同50ナノグラム)を超えた。

 また宇地泊川から離れているはごろも小学校の池を関連で調べたところ、1リットル当たり420ナノグラムと高濃度のPFOS・PFOAが検出された。大謝名小のもう一つの池は同24ナノグラムだった。

 市によると、大謝名小は近くの湧き水「大謝名メーヌカー」から、はごろも小は「メンダカリヒーガー」から校内の池に水を引いている。両湧き水は県調査で高濃度の有機フッ素化合物が検出されている。

 池はビオトープとして教育活用されているが、柵をして立ち入らないようにしているという。

 市は4月10日の事故発生を受け、同13、16日に採水。宇地泊川上流はPFOS・PFOAの合計値が1リットル当たり9ナノグラム、下流は同20ナノグラムだった。トロピカルビーチは同2ナノグラムで宜野湾漁港は同1ナノグラム。関連で調べた湧き水「ヒヤカーガー」は同110ナノグラム、メンダカリヒーガーは同540ナノグラムだった。全調査地点から有害性が指摘されているPFHxSも検出された。

 琉球新報と京都大学による採水分析結果では1リットル当たりで最大247・2ナノグラムの値が検出された。同大の原田浩二准教授(環境衛生学)は「大謝名小の高い値は初期の汚染が残っていたのではないか」と指摘した。