「沖縄のチーム」誇れるチームへ 琉球ブルーオーシャンズ・小林太志社長<コロナ禍のなかで>


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1月の春季キャンプでリラックスした表情で体を動かす琉球ブルーオーシャンズの選手ら=八重瀬町の東風平運動公園野球場

 ―チームの旗揚げからこれまでを振り返って。

 「2月末に巨人3軍とオープニングゲームを行い、多くのファンから反響をもらった。スタンドが観客で埋め尽くされた状態でスタートしたい、という大きな目標があったので無観客での実施は残念だった。しかし、報道を通じてチームの始動を県民に発信することができたのは良かった」

 「1月の春季キャンプからチーム内の雰囲気がまとまってきた。沖縄で頑張っていく、との強い自覚と意志が選手個々に出てきた。志が一致してきた中ではあったが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、4月途中からチーム全体での活動は自粛している。沖縄を代表するチームとして、今は一丸となって感染を拡大させないことが一番重要だ」

 ―選手の現状は。

 「コーチから選手それぞれに自重負荷トレーニングを指示している。設備がなくてもできるメニューも提示している。野球ができない現状の中で、精神的に落ちている部分はあるだろう。スタッフが選手と密に連絡を取り合いながら、心身の両面からサポートしている」

 「チームの活動に制限がかかっている分、選手個々には積極的にSNSなどを活用し、情報発信するよう働きかけている

琉球ブルーオーシャンズ 小林太志社長

 ―活動自粛による選手への影響は。

 「練習期間が短い分、競技力は落ちるだろう。だが、オーシャンズの選手だけでなく、ほかのチームにも言えることだ。練習ができないと嘆くより、今できることをしっかり取り組むことが大事だ」

 ―観客収入が見込めない中、経営の課題や今後の見通しは。

 「コロナ禍で売上げがなかなか厳しい部分はある。今後、どのような事業が主な収益となりえるのかを改めて考えなければならない時期に来ている。4月からはグッズ販売も始めた。グッズ販売と合わせ、新たな収益の仕組みづくりに努めたい」

 ―活動再開を待ち望むファンへのメッセージを。

 「立ち上げの時から、県民に愛されるチームを目指してきた。県民に『沖縄のチームだ』と誇りを持ってもらえるチームになれるよう、さらにまい進したい」

 (聞き手 上江洲真梨子)