キク低迷 28万本廃棄 沖縄・本部町の農家、町に支援要請


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出荷できず廃棄処分した白小菊=10日、本部町内(西平満さん提供)

 【本部】沖縄県花卉園芸農業協同組合本部支部(西平満支部長)は11日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で「営農継続が非常に厳しい状況」にあるとして、平良武康町長に次期作付けに必要な肥料や苗の支給の支援を求める要請書を提出した。

 県花卉園芸農業協同組合によると、本部町では4月に出荷を予定していたキク類約78万4500本のうち約36%の28万本を出荷できず廃棄処分した。2月以降、新型コロナの影響で全国的に葬儀の縮小や花の購入機会が減少があり、同組合は3月下旬から等級の低いキクは出荷しないよう制限している。小菊の平均単価は例年30円前後だが今年4月1~20日は20円と落ち込んでいる。

平良武康町長(手前右)に要請書を手渡す西平満支部長(同左)ら=11日、本部町役場

 本部町内では約40戸がキクを栽培している。西平支部長は「5カ月かけて育てたキクを捨てることしかできず悔しい。単価がいつ戻るか分からず見通しが立たない」と訴えた。

 平良町長は「国の支援策を活用しながら、町もできる範囲で補助したい。牛農家から堆肥を購入するなど、農家が互いに助かる仕組みを考えたい」と答え、県にも支援策を要請していく考えを示した。同行した「本部町の農業を元気にするネットワークの会」の知念一義会長は「パッションフルーツやトマトも値下がりし農家は不安を抱えている。行政は迅速な支援策を考えてほしい」と話した。