新型コロナウイルス感染拡大防止を巡り、沖縄県は20日までを予定していた7業態の特定施設に対する休業要請の一部解除を決めた。県経済の回復に期待し、賛同やさらなる緩和を求める声が上がる一方、急激な緩和は時期尚早との見方もある。県民からは歓迎と不安の声が入り交じる。
那覇市でつけ麺屋「鶏そば新里」を経営する新里真哲さん(42)は「少しずつだが客が戻ってきたように感じる。緩和に向けた動きは歓迎したい」と期待する。同時に「これまで通りの感染予防に努めたい」と気を引き締めた。
名護市内の飲食店も多くは休業が続く。名護社交飲食業組合の渡久地等組合長(51)は営業再開に向けて準備を進めているとした上で「全面解除にならないとお客さんもなかなか来られないはずだ」と案じた。
南風原町で飲食店を営んでいる林格也さん(30)は「外出する人が一気に増えて再び感染が拡大するのではないか」と顔をしかめた。店は現在、テークアウト営業を余儀なくされている。「感染しない、させないためにも店内営業再開後も一部で人数制限する必要があるだろう」と話した。
糸満市に住む中村真知子さん(41)は「休業要請が緩和されたことは良かったと思う。地元の人向けに店舗を開けるのはいいが、観光客向けの営業を再開するのは少し早いと思う」と不安そうな顔を見せた。
11日から営業を再開した石垣市の飲食店経営の女性(31)は「国民健康保険もこの2カ月払えない状況で、休業が続けば厳しかった。感染を防ぐため、時間短縮や観光客の入店制限などをしたい」と話した。
沖縄市に住む男性(72)は休業要請が一部解除されることを受けて「店の人にも生活がある」と理解を示す。一方で国や県に対しては「次の流行の波が来ないようきちんとした対策を示してほしい」と注文を付けた。