沖縄、日本復帰48年 基地負担軽減の願いは実現遠く


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎
沖縄県庁(資料写真)

 米国統治下にあった沖縄が1972年に日本に復帰してから15日で48年を迎えた。復帰運動を後押しした「基地撤去」を求める県民の願いは今も実現せず、国土面積0.6%の沖縄に米軍専用施設の70.3%が集中している。一方、社会資本整備は進み、県経済は観光を基幹産業に発展してきたが、今年に入り新型コロナウイルスの感染拡大が県民生活、経済に大きな影響を与えている。

 米軍普天間飛行場の移設を巡って知事選や国政選挙、県民投票を通して、県民は辺野古新基地建設反対の民意を示してきた。一方、国は民意を無視して埋め立て工事を進め、軟弱地盤の設計変更を新型コロナ禍の中で県に提出した。

 観光や消費がけん引して雇用環境も改善するなど、好況が続いていた中、新型コロナの感染拡大で一転、経済の落ち込みが起こっている。これまでも指摘されていた格差や子どもの貧困などの課題も改めて浮き彫りになり、2022年度以降の新振興計画策定に向け、玉城デニー知事のかじ取りが注視される。