沖縄初「再び陽性」感染か、再燃か 退院後の観察課題に


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 新型コロナウイルス感染症で17日、治ったとみられていた患者に再び陽性反応が検出される事例が、沖縄県内で初めて確認された。全国では同様の事例が報告されている。県によると、ウイルスが体内に残っていて退院後に増えた「再燃」と、退院後に患者と接触してウイルスがうつった「再感染」の可能性がある。県は現時点で原因は「判断できない」としている。

 入院した感染者の退院基準は2回続けての陰性確認で、症状の回復後にウイルスが体内に残っていないことを判断する検査を受ける必要もある。退院後に再度陽性となる患者が全国で確認されたため、国は3月6日、退院後も4週間は健康観察を続けることを患者に伝えるよう、医療機関に呼び掛ける通知を出した。

 国は退院者が感染を広げる可能性は低いとの考えを示すが、県によると他県では退院患者から家族に感染した事例があるという。県の糸数公保健衛生統括監は「(退院者の感染力が)全くないということは言えないが、一般的には普通の患者より低いと思う」と推察した。

 今回、再び陽性を確認した那覇市の60代女性は退院から約2週間後に診察を受けた。糸数統括監は「必ず2週間後に受診させることは決まっていない。主治医の判断だと思う」と説明した。県内の患者全てが退院後に定期診察や検査を受けたかは「確認中」と述べるにとどめた。

 60代女性が「再燃」だった場合、感染を防ぐ観点から退院後の受診の在り方などが新たな課題となりそうだ。糸数統括監は「(一度感染した人は)退院後も引き続き健康観察を行ってほしい」と注意を呼び掛けた。